【映画】ザ・ムーン【感想】2009/01/18

「ザ・ムーン」
 1961年5月25日。
 ジョン・F・ケネディは、国会で「1960年代中に人類を月に着陸させ、無事に帰還させる」と演説した。
 そして、1969年7月21日。
 人類は月に降り立った。
 この映画はフィクションではない。映像は全て当時の物とパイロット達のインタビュー、キャストは当時のパイロット達とNASAのスタッフ達、全てがドキュメンタリーである。

 映画のほとんどはアポロ11号の航跡について描かれている。
 メインコメントは司令船パイロットにして、後に宇宙で最も孤独な男と言われたマイク・コリンズ。
「人は私を孤独というけれど、全然孤独じゃなかった、なぜならずっと(ヒューストンに居る)管制官と言葉を交わし続けていたのだから」
 もう1人のメインコメントはバズ・オルドリン。ニール・アームストロングと共に月に降り立ったパイロットだ。
「ニールはずっと冷静だった。彼はすばらしい演説をした。僕には到底真似できないね」

オルドリン「月出発前になって、突然言われたのさ。月に星条旗を立てろって。他の訓練は何度もしてきたけれど、そんな訓練はやってない。だからあれはぶっつけ本番なのさ」

 アポロ計画で絶対に忘れられない失敗が有る。
 純酸素で満たされた練習船の内部燃焼事故。
 アポロ計画に携わっていたパイロット達は言った。
「あの船の配線は酷い。もっと安全な物に変えてくれ」
 しかし、返ってきた技術者の言葉は悲しいものだった。
「解っているが、それを口にしたら私はクビになってしまう」
 そして、悪い予感は当たり、3人のパイロットを失った。
 外部は綺麗なのにそこら中に散乱する消火器と、転がる真っ黒の手袋。
 すすまみれになった真っ黒な船内。
 焼死体を見せられるかと覚悟をしていたが、3人パイロット達を乗せたまま、着陸艇ごとトラックで運ばれていった。

他のパイロット達の言葉
「どうして人々は毎日文句を言っているのだろう。私達はエデンの園に生まれて生きているのに」
「宇宙から観ると地球はとても美しい宝石だ」
「地球は小さくはかないものにも見える。宇宙から環境汚染が見える程に」
「地球を観ていると宗教的な意味ではなく、人類には理解できない超次元の意志を感じる。その意志によって地球は生まれたのじゃないだろうか」

 アポロ計画は嘘だという声を良く聞く。
 それに対するパイロット達の回答はこうだ(1回だけ観た記憶なので細かい所は違ってます)。

オルドリン「沢山、あれはやらせだろうという話をみたよ。偉業の前には常に陰謀説が生まれてくるものさ」

コリンズ「言ってるヤツの首を絞めてやりたいね。だって、アメリカ政府はたった2人の(パイロット)の口を塞ぐ事も出来なかったんだ。どうやって、数千人の(NASAのスタッフ達の)口を塞ぐんだい」

名前読みそびれた「僕達は9回も月に行った。やらせならどうして9回も月に行くんだい。9回も騙す意味が無い」

アームストロング「言いたい人は言えば良い。だけど私が残した足跡は、誰にも消す事は出来ないのさ」

 アームストロングのこの言葉で映画は終わる。

 ……。
アームストロングさん、あなたが月に残した人類の始めの足跡は、あなた自身が踏みまくって消えてます。
 オルドリンも始めの1歩で思いっきり同じ所を踏みました。
 NASAが公式発表している綺麗な足跡だけは悲しい事に嘘ですね。
 静かな海は細かい砂まみれで、足形を残せる地面ではありませんでした。
 だが、アームストロングと、オルドリンが大量に残したなんかが這いまくった様(あれは絶対にすり足で歩きまくったな)な大量の足跡は、きっと月探査衛星かぐやが見つけてくれるでしょう。

 フィクションは決して現実を超えられない。

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