「最果ての銀河船団」2004/08/09

ヴァーナー・ヴィンジ著

「SFが読みたい! 量子論でも精神世界でも平行世界でもサイバーパンクでも無いやつ」
……てな事で買いだめしておいた本から選んだのがこの作品。
(一時期、神林とホーガンばっか読んでいたので上記のSFは食傷気味だった)

スペースオペラです。
宇宙生命体とのランデブーです。
コールドスリープは出てきてもワープ航法が出てきません(笑)。
政治と陰謀と策略と戦争という古典SFの王道です。

てな事で始め「ちょいたるー」と思いつつどんどんストーリーの面白さに引き込まれて行ったのだが……なのだが。
様々な映像を思い浮かべるのが醍醐味のSFで、

宇宙生命体の姿だきゃーぜってー想像するもんか!

と心に誓いながら読み進めるという有る意味(苦笑)拷問の様な作品だった。
(だって黒いアレより大嫌いな、○○型宇宙生命体なんだもん)
「わーん。細かく描写すなー。想像させるなー」
と心の中で雄叫びをあげ、冷や汗を流しながら小説を読む姿は側から見たら只の変人。
そこ、頷かない!

と、まあ色々アレなトコは有ったけどスペオペの王道作品としては二重丸。
ラストに向かって三方向の視点からどんどんストーリーが進んでいくのはもどかしくもあり、全てが繋がった時に思わず喝采。

 ちょっとご都合主義過ぎるエピローグで「-10点」付けても90点作品てなとこでSFの醍醐味を味わいたい方にはお勧め作品だった。